Home 院長ご挨拶 診療予定表 セルフチェック アクセス
サービス案内
   
   Q ホルモン補充療法と乳がんの関係は?
 
 
   

 
 
みなさんの中に、更年期障害で「ホルモン補充療法」をお受けになっている方はいらっしゃるでしょうか? ホルモン補充療法は、女性ホルモンを投与すること で、急激な女性ホルモン低下によって生じる、のぼせ・ほてり・発汗異常を伴う更年期障害や、長期的な女性ホルモン低下によって生じる、骨粗鬆症・高脂血症 を改善させるものです。女性ホルモンには、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)があり、それを単独もしくは併用投与します。女 性ホルモンを直接投与するわけですから、副作用として、乳房の痛みや子宮出血が生じるケースもあります。また乳癌や子宮癌にて治療中の患者様に対しては原 則的に投与しないことになっています。その他注意しなければいけない人としては、血液が固まりやすい人、肝機能障害のある人、過去に乳癌に罹患したことの ある人、乳腺症のある人、過去に子宮癌に罹患したことのある人、子宮筋腫の人などが挙げられます。
 

 
ホルモン補充療法の施行率は欧米諸国で約30%位です。それに対して日本での施行率はわずか1%位といわれています。日本での施行率が悪いのは主に2つの理由があると思います。
ひとつは、骨粗鬆症は整形外科で診られることが多く、ホルモン補充療法よりも、ビタミンD製剤やカルシウム製剤が治療に用いられるケースが多いということ。もうひとつの理由は、子宮癌や乳癌との関連性の問題だと考えられます。
 

 
子宮癌の場合、卵胞ホルモン剤を単独で使用すると子宮内膜癌の発生率が約2倍になり、黄体ホルモン剤を併用すると非投与に比較して1/3以下になるといわ れているため、子宮筋腫などで子宮を摘出している患者様以外は、両者を併用することが多いようです。一方、乳癌との関連性についてはさまざまな報告があ り、結論が出ていません。卵胞ホルモン剤の単独使用で、約1〜2倍。黄体ホルモン剤を併用しても0.2〜1.5倍ともいわれていますが、定かではありませ ん。しかし、投与年数には関係があるようです。
 

 
1997年に『Lancet』という雑誌に発表された論文には、ホルモン補充療法について、まったく受けたことのない女性に対し、現在、または過去5年以 内に受けたことのある女性と、過去に受けたことがあるが、5年以上前に終了した女性との比較が掲載されています。これによると、現在または5年以内にホル モン補充療法を受けたことがある女性が5年以上継続していると、乳癌の罹患率が高くなるという結果が出ました。一方、ホルモン補充療法を5年以上使用して いても、終了して5年以上経過していれば、その罹患率はHRTを受けたことのない女性と変わらないという結果も出ました。つまり乳癌発生の危険性はホルモ ン補充療法の施行期間に比例するという結論に達するのです。ということは、ホルモン補充療法を長期間(特に5年以上)継続している場合は、注意深い観察が 必要と思われます。
 

 
しかし、ホルモン補充療法を受けている女性の乳癌は、早期のものが多いといわれています。ただ、ホルモン補充療法を行うと、乳腺が張ってきて、しこりが見 つけにくくなるので、触診以外の乳癌検診がとても重要になってきます。現在乳癌検診はマンモグラフィ併用検診が推奨されています。しかし、緊満した乳腺で は、マンモグラフィでもしこりを見つけるのに困難な場合があります。ですから、見逃しを防ぐために、ホルモン補充療法施行前の安定した乳房でマンモグラ フィ撮影をしておき、これをベースラインとして、何かの時に比較すること。また、超音波検査を併用することにより、より見逃しを少なくするよう、努力をす ることが重要だと思います。

(平成16年4月10日)
 
 
 乳腺について 乳がんについて 診察・治療について 手術・治療後について その他 (気になる症状など)  
                                                 

privacy policy
Copyright(C) 2011 OBCC All Rights Reserved.